これまでの一般的なメダカのイメージといえば、あまり派手さのない可愛らしい小魚といったものでした。
しかし、最近は個性的なメダカの存在も知られるようになっています。
紅い体が魅力の楊貴妃メダカやシルバーに輝く幹之メダカは、今や身近なホームセンターで購入することも可能です。
このように改良メダカが一般的になってきたとは言え、まだまだ知られていない品種はたくさんあります。
そこで今回は、数あるメダカたちの中でもひときわ異彩を放つ「煌」という品種について、その特徴やルーツ・価格についてご紹介したいと思います。
煌メダカの定義
改良メダカの最高峰?!
煌メダカです。
とても綺麗で癒されますね😃
動画で楽しんでください!
空豆のメダカ動画https://t.co/ncmI73zEDS pic.twitter.com/u00ocz9eGw— 空豆太郎 (@4H8CA51DW3MSCox) January 29, 2020
煌メダカは、2016年に垂水政治さんによって発表されました。
同じく垂水さんにより育てられた「夜桜」と「女雛」の交配種がこの「煌メダカ」です。
頭部に朱色の模様を持ち、体には色鮮やかに光る体外光を表現するものが煌メダカと定義されています。
頭部の朱色模様のように、特定の位置に柄があることが品種の定義になっているメダカはあまり見かけません。
体外光というのは、ウロコが色づき鈍く光った見た目の模様のことで、メダカ愛好家からも人気の柄です。
体外光に対して体内光という柄もありますが、定義上、体内光の煌はいません。
煌メダカの特徴
自慢の煌メダカです。
可愛くて綺麗でしょ?!
元気が良くて撮影大変でした(笑)
人は先を見なければ、必ず後退します。周りは進んでますから… pic.twitter.com/1BscbMgORL— 空豆太郎 (@4H8CA51DW3MSCox) January 20, 2020
煌メダカの特徴は、頭部の鮮やかな朱色の模様と、背景となる体外光の鈍い美しさのコントラストにあります。
名前からして煌びやかで美しいことがわかる品種ですが、ただキラキラ光って綺麗というのではなく、荘厳さ・上品さを兼ね備えています。
体外光の乗った体の色は個体差も大きく、青がかったもの、緑がかったもの、金色のものなど様々です。
特に体に金色の乗った煌メダカは金粉で彩ったように美しく、見とれてしまうほどです。
また、体外光と似た模様にラメがあります。こちらは名前のごとくウロコがラメのようにキラキラ光った見た目で、ラメ入りの煌もいます。
幹之メダカなどの比較的入手しやすい品種でもラメ入りとなると特別感が増しますが、ラメ入りの煌メダカは格別です。
これらの特徴は、愛好家だけでなく一般の方々をも魅了すること間違いなしです。
煌メダカの作り方
はじめました!
メダカ好きな人よろしくお願いします✨
アイコンはウチの煌達です!#煌 #メダカ pic.twitter.com/pwC4IsofBn— ののめだか (@nonomedaka) July 18, 2019
煌メダカは、親メダカとして「夜桜」と「女雛」を掛け合わせることで誕生します。
では、どのように品種改良が行われるかご存知でしょうか。
そもそもメダカというのは、メンデルの法則に従って親の特徴を引き継ぐことが知られています。
メンデルの法則といえば、エンドウの栽培実験によりメンデル司祭が発見したことで有名です。
中学や高校の生物の授業で習った方も多いのではないでしょうか。
例えば、親世代として1匹の青メダカと1匹のヒメダカを掛け合わせたとします。
すると、子ども世代は全員黒メダカになります。
さらにその子供たち同士を交配させた孫世代では、次のような比率の品種になります。
全16匹中、黒メダカ9匹、青メダカ3匹、ヒメダカ3匹、白メダカ1匹です。
親世代と孫世代を比べると、全く新しい品種ができていることがわかります。これが品種改良の原理です。
このように、孫世代の白メダカ1匹を作るため、たくさんメダカを育てる必要があります。
では、新種のメダカを作るのに、いったいどれほどのメダカが必要なのでしょうか。
およそ数万匹を育て、その中から見栄えの良い数匹から数十匹を厳選します。
さらに厳選されたメダカ同士を掛け合わせて数万匹を育て、その中から厳選を行います。
このようにして、4〜5回の厳選を経てようやく辿りつくのが新品種です。
もちろん、この工程を経たとしても新品種ができるとは限りません。
思ったような柄にならず、失敗を重ねることは日常茶飯事のようです。
このように、煌ほど複雑な模様の品種を生み出すには、途方もない手間がかかっているのです。
煌メダカの価格
煌 販売始めました。
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煌メダカの相場価格は5匹で3万円程度が一般的のようです。もちろん見た目によって値段は大きく変動します。
ヤフオクなどでは、煌の稚魚20匹で3千円など比較的安価に入手することもできます。
しかし、メダカの稚魚は見た目がどれも同じで本当に煌が送付されたか確認は不可能です。
また、前述のメンデルの法則の都合上、煌が産んだ稚魚が成長しても完全な煌の特徴を持つことは稀です。
ただそんな稚魚の中にも、将来的に頭に朱色の模様を持つ個体などはいますので、宝くじ的な楽しみで育ててみるのも面白いです。
このように、確実に煌を育てたい人は5匹3万円、煌っぽいメダカでも良いなら煌の稚魚20匹3千円が相場となります。
まとめ
煌メダカについて、ここまでの内容を要約すると下記のようになります。
・煌の定義は、頭部に朱色の模様、体に体外光を表現するもの
・朱色の模様と体外光のコントラストが魅力的な特徴
・煌は夜桜と女雛を親として、途方もない手間を経て生まれた
・相場は5匹で3万円、稚魚では20匹3千円
ぜひ、煌メダカを飼ってみてください。メダカのより奥深く、楽しい世界を知ることができるはずです。