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【紅薊メダカ】特徴や固定率・飼育について紹介!

紅薊メダカとは、広島県の福山市にお住まいの神原氏が命名したブラックリム系の品種です。

紅薊メダカの原型は同市にお住まいの瀬尾氏が作出した「煌」や「星の煌」と呼ばれる品種です。

この品種を元に岡山県の笠岡市、広島県の福山市周辺の愛好家の方々が美しさや色彩の表現に切磋琢磨して改良し作出されたのが「紅薊メダカ」なのです。

その凛々しく深みのある美しさは、まさに野に咲く薊の花のようです。

ここではそんな水中の花、紅薊メダカについて理解を深めていただくために、特徴や飼育方法等についてまとめました。

紅薊メダカが気になるけど、中々手が出せないという方は是非一度目を通していただき、美しいメダカの世界に飛び込んで行ってください。

紅薊メダカの特徴


紅薊メダカは皆様に馴染みのあるメダカと同じ体型をしていますが、重ね塗りしたかのように濃厚な赤色と「ブラックリム」による鱗辺の黒みが特徴です。

この「ブラックリム」は透明感の強い「透明鱗」とは異なり、鱗に透明感はあるものの、鱗の1枚1枚に黒色素胞があるため鱗が黒く縁取られたかのように見える表現です。

また、ブラックリムの表現が強く出ている個体は尾ビレの中央部分に黒い部位を持つ事が知られています。

この紅薊メダカのブラックリムは、屋内で飼育するよりも屋外で飼育した方が表現がさらに強くなるため、この黒色を濃くする程赤と黒のメリハリが効いた見応えのあるメダカに育ちます。

紅薊メダカにはブラックリムが背中にまで現れる事があり、そのような個体を大切に飼育すると、まるで錦鯉のような堂々たる美しさを放つ個体に変貌を遂げてくれます。

実は別の表現もある!

さっきまで散々「濃厚な赤色とブラックリムの黒色が特徴」と紹介していましたが、実は紅薊メダカにはもう1つの表現があります。

それは、福山市にお住まいの近藤氏が手掛けた系統の紅薊メダカです。こちらの系統は目の周りの色を明るくするための交配をされているので、今までの紅薊メダカとは違い、濃厚な赤色ではなく鮮やかなオレンジ色を発色する特徴があります。

また、紅薊メダカの血統の中には鮮やかなオレンジの発色とブラックリムの表現に加えて体色が白抜けして錦鯉の「三色」のようになる個体もいます。

これは好みが分かれるところですが、ご自分が気に入った表現をしている個体を選ぶのが一番です。

紅薊メダカが生まれる確率

産卵によって紅薊メダカが生まれる確立についてですが、親魚が紅薊メダカ同士であれば、ほぼ100%紅薊メダカは生まれます。

しかし、元々はという品種なので、交配しているうちに先祖返りする可能性はあります。

紅薊メダカの飼育は難しい?

紅薊メダカの飼育自体はそこまで神経質になる程ではなく、屋内で特にこだわりもなく飼育する場合は、しっかりとカルキ抜きをした水を飼育水として使い、フィルターやエアレーションを施した水槽やトロ舟で一般のメダカと同じように飼育する事ができます。

ブラックリムの黒色をより強く出したい場合は屋外飼育の方が良いため、大きめの黒いトロ舟で飼育し、水温の上昇し過ぎと隠れ家を兼ねて、トロ舟の1/2〜2/3を通気性の良い蓋で覆います。

赤みを強くしたい場合はグリーンウォーターによる飼育がオススメですが、どうしても個体が見辛くなってしまうデメリットがあります。

ご自宅でのんびりと紅薊メダカを楽しみたい方は、ミジンコやコペポーダ等の極小甲殻類やスピルリナが入っている餌を与えると赤みが強くなります。

屋外飼育の注意点について

紅薊メダカの表現をより豊かにしてくれる屋外飼育ですが、いくつかの注意点があります。

まずは直射日光による水温の上昇です。これは夏が非常に危険で、日光によって水温が上がりすぎてしまうとメダカ自体も弱ってしまいます。

そのために飼育水槽には必ず日除けをしてあげてください。

次に「捕食」が挙げられます。屋外で飼育しているとカラスやネコだけでなく、地域によってはイタチやサギがやって来て大切なメダカを食べてしまう事があります。そのため屋外で飼育をする場合は獣避けや鳥避けをする必要があります。

最近ではホームセンターに獣避け、鳥避けのアイテムも販売していますので、そちらを利用すると野生動物による被害を減らす事ができます。

紅薊メダカの固定率

紅薊メダカの固定率についてですが、瀬尾氏が作出した系統と近藤氏が作出した系統では大分違います。

どちらが低いかと言われますと、瀬尾氏が作出した系統は固定率が低い面があると言われています。

安定して紅薊メダカの表現がしっかりと出てくる事は少なく、時にはブラックリムの表現が薄過ぎて楊貴妃メダカのような見た目の稚魚が生まれる事も多いようです。

近藤氏が作出した系統も固定率は最初は高くなかったそうですが、作出者のメダカの選別や親魚の交配等の努力によって徐々に固定率が上がって来ています。

今ではより新しい表現を持つ紅薊メダカの作出と出現率を上げる交配を進めているそうです。

ちなみに紅薊メダカの繁殖についてですが、赤色とブラックリム表現に優れた親魚を用いても生まれてきた稚魚が全く別の表現をする事は少なくありません。

また、紅薊メダカの赤色と黒色の色彩は突然変異の部分もあるため生まれた稚魚にその表現が出るかと言われれば「出ない」と言わざるをえないのです。

これを踏まえた上で、赤色と体に入るブラックリム表現がしっかりとした個体が生まれる確立は10〜15%くらいだと思います。

固定率が低いからと言って諦めないで!

紅薊の特徴とも言える赤色と体に入るブラックリムですが、最初は冴えない色の稚魚が、1年かけて育て上げたら立派な紅薊の特徴を表したという事もあります。

「ダメだ」とすぐに見限らず、ゆっくりじっくりと向き合っていきましょう。

紅薊メダカの特徴をしっかり出したいなら選別と交配が大事!

紅薊メダカの特徴をなるべく引き継ぎたいのなら、生まれた稚魚をよく観察し、その中でも表現が強く出ている個体を選んで育てあげる事が大切です。

そして育った個体の中からより表現の美しい個体同士を交配させる事で紅薊の特徴を表れやすくなります。

それでも中々一筋縄では行きませんが、気長にやっていった方が、ご自分やメダカにとってもストレスフリーです。

紅薊メダカの繁殖は「竜生九子」

素晴らしい表現を持った親魚を交配したからと言って素晴らしい稚魚が生まれるかと言えばそうではないのが紅薊メダカの難しいところです。これと同じような四字熟語があります。

「竜生九子」という四字熟語ですが、徳の高い竜が九体の子供を生んだものの、その子供達は全く親である竜に似ても似つかない性格や見た目だったという話からきています。

紅薊メダカの繁殖はまさにコレなので、好みの表現ができない事に落胆するのではなく、むしろ出なくて当たり前くらいのスタンスでいた方が気楽に済みます。

まとめ

煤を纏った炎を思わせる色彩表現を持つ紅薊メダカですが、固定率の低さがネックとなって、飼育者を悩ましてしまう事もしばしばです。

しかし、様々な表現を生み出す事ができる品種でもあるため、自分好みの表現の紅薊メダカを飼育し、自分オリジナルの紅薊メダカを作出する事も夢ではありません。

また、愛好家のように本格的に繁殖や品種改良を狙わず、室内でのんびり飼育を楽しみたい方は、是非お気に入りの表現をした紅薊をご自宅にお迎えしてみてください。

紅薊メダカのオンリーワンな表現は、きっと皆様の心を惹き付けて離さない事でしょう。

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